こんにちは。動物看護士の藤島です。 今月はかなりの量の雪が積もりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 雪かきのために、筋肉痛になったり、雪ではしゃぐわんちゃんもいれば、コタツの中から出てこな~い、なんて飼い主様からさまざまなお話を聞きました。
今回は、もうすぐ狂犬病予防接種が始まる時期ということで、狂犬病の恐ろしさと予防接種の大切さについてお話したいと思います。
皆様、「狂犬病」についてどこまで知っていますか? 狂犬病は犬に限らず、ヒトを含めたすべての哺乳類に感染します。 感染経路は咬傷がもっとも多く、感染している動物の唾液に含まれるウイルスが咬まれた時の傷から侵入します。 有名な症状としては、水などの液体を極端に恐れる恐水症や、名前の通り狂暴化するなど様々です。 致命率は100%と言われており、発症するとほぼ間違いなく亡くなってしまうとても怖い病気です。
狂犬病は、日本では第二次世界大戦から戦後にかけてかなりの流行がありましたが、昭和25年に「狂犬病予防法」が施行され、野良犬を捕まえたり、飼い主に登録と予防接種を義務付けることで、昭和31年以降は発生していません。
しかし最近では、昨年の7月に台湾で52年ぶりに野生のイタチアナグマから狂犬病がみつかり、そのイタチアナグマに咬まれた狂犬病ワクチン未接種の子犬が発症したというニュースがあり、とても身近なものになっています。 それ以外にも、日本にも海外から狂犬病に感染した動物が持ち込まれる可能性や、狂犬病流行地のロシアとの貿易が多い地域では、ロシア船から不法上陸した犬が確認されているため、いつ入ってきてもおかしくない!という状況にあります。
このように現在日本では発生が見られませんが、常に発生の危険と隣り合わせだということ、わんちゃんの命だけでなく人間の命を守るためにも一人でも多くの飼い主様に、今一度狂犬病について考えていただけたら嬉しいです。 とても恐ろしい狂犬病の発生や流行を防ぐためにも、年に一回の狂犬病予防接種を受けさせてあげましょう。